2015/10/28 救急医療研修会で講演を行いました 理事長案西浩平
2015年10月16日福岡市歯科医師会東支部救急医療研修会が博多高校アリーナにて開催されました。福岡市歯科医師会では、会員向けに救急医薬品セットを検討準備していますが、今回は「全身偶発症の発生状況および医薬品使用上の留意点」について解説しました。概要は下記のとおり。その後、救命救急士による実地訓練が行われました。

今年度の救急医薬品セットは、①神経性ショックに対するアトロピン②アナフィラキシーショックに対するアドレナリン③狭心症発作に対するニトロール。
アトロピンとアドレナリンはアンプルタイプからプレフィルドタイプに変更し、迅速な対応をより可能にした。ショック体位をとり、三角筋中央へ筋注を行う。
神経性ショック(迷走神経反射)は、治療に対する恐怖心や不安感のうえに痛み刺激が加わり発症する。当然だが、気持ちを落ち着かせ、可及的に痛みを与えないことで予防できる。
一方、アナフィラキシーは正確な医療面接で予防可能な面もあるが、重症例は生命の危険に瀕するため発症時の迅速な対応が肝要である。皮膚症状・消化器症状がイニシャルサインである。
ニトロールは舌下投与とし、噛み砕いて飲み込ませない方法で速やかに奏功する。重症例では、心原性ショックを引き起こす可能性もある。狭心症発作は、胸部圧迫痛・発汗・息切れ等を特徴とするため即座に対応する。