2013/07/01 合わなくなった義歯への取り組み①リライン編 奥山義和
医療 の進歩や食生活の変化などにより平均寿命は長くなり義歯を使用する方は増加するものと思われます。インプラントによる治療法なども出 てきていますが、患者様の経済状態や健康状態により適応できない場合もあり今後も、義歯の需要も増加するものと思われます。口腔内に よく適合している義歯を提供することは義歯使用者のQOLを向上させる観点からますます重要となるであろうと思わ れます。そのために適合性のよい義歯を患者様に提供していくというものにリラインというものがあります。

リラ インとはかみ合わせなどは正しいが,義歯と顎堤との適合が不良となった場合に義歯床を新しい義歯床用材料に置き換え,義歯床下粘膜と の適合を図り,義歯床粘膜面の一層を置き換えることを言います。平たく言えば義歯の内側を少し削って、その隙間を材料で置き換えると いうことになります。

また その材料はリライン材と呼ばれ、硬質と軟質に分類されます。

硬質 材料はアクリル系であり、軟質材料はアクリル系、シリコーン系、ポリオレフィン系などがあります。

軟質 材料の中で、アクリル系のそれは粘弾性的な性質を、シリコーン系とポリオレフィン系のそれは弾性的な性質を有しています。なお、シリ コーン系は経時的な物性の変化が小さく、高い耐久性を示します。一方、アクリル系は経時的に粘弾性が変化し、徐々にその緩圧効果が失 われる傾向があります。

一般 的には硬質材料を用いますが、症例によっては軟質材料を用います。